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四向四果(しこうしか)

声聞の修行の階位で、四つの因位と四つの果位。四双八輩、八(賢)聖ともいう。向とは趣向のことで、次の果位に赴く因位をいう。預流[よる]向・預流果、一来[いちらい]向・一来果、不還[ふげん]向・不還果、阿羅漢[あらかん]向・阿羅漢果の八つ。
①預流とはサンスクリットのスロータアーパンナ(須陀洹[しゅだおん])の訳で、無漏(煩悩のない状態)の聖者の流れに初めて預り入るとの意。②一来とはサクリッドアーガーミン(斯陀含[しだごん])の訳で、一度天界に生まれ再び人界に生まれて覚りを得るとの意。③不還とはアナーガーミン(阿那含[あなごん])の訳で、再び欲界に還ってこないとの意。④阿羅漢とはアルハトの主格アルハンの音写、尊敬に値するものという意で、「応供[おうぐ]」などと訳す。
これらのうち、預流向を見道の聖者、預流果から阿羅漢向までの6種を修道の聖者という。また阿羅漢果を「無学(学ぶべきものも断ずべき煩悩もないという意)」というのに対し、阿羅漢向までの7種を「(有)学」という。▷阿羅漢/学/無学/声聞界/四土