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『日蓮大聖人御書全集』(にちれんだいしょうにんごしょぜんしゅう)

日蓮大聖人御書(御遺文)を集大成した書。創価学会発行。
【発刊の経緯・経過】昭和26年(1951年)5月3日、戸田先生は創価学会第2代会長に就任すると、即座に『日蓮大聖人御書全集』の発刊に着手した。これは、翌・昭和27年(1952年)4月28日に迫った立宗700年の記念事業として発表された。当時、学会員は他宗派から発刊された不十分な御書を使用せざるを得ない状況だった。やむにやまれぬ思いから戸田先生が御書発刊を提案すると、大石寺の梵鐘の鋳造に力を注いでいた日蓮正宗宗門は、学会による御書の出版は了承するが援助はしない、という態度を取った。御書発刊は、伊豆の畑毛に隠退していた堀日亨上人から編纂の協力を得たほかは、校正作業、資金の調達など、すべて創価学会で行った。この事業を陰で黙々と支え奮闘したのが、池田先生であった。期間はわずか10カ月。連日連夜にわたる編纂・校正作業をへて、昭和27年(1952年)4月28日、『日蓮大聖人御書全集』の発刊は成し遂げられたのである。戸田先生は御書全集の「発刊の辞」で、「諸法実相抄」の一節を引き、「創価学会は初代会長牧口常三郎先生之を創設して以来、此の金言を遵奉して純真強盛な信心に基き、行学の二道を励むと共に如説の折伏行に邁進して来たが、剣豪の修行を思わせるが如きその厳格なる鍛錬は、学会の伝統・名誉ある特徴となっている」と記している。
【各言語で翻訳・出版】「発刊の辞」には、「この貴重なる大経典が全東洋へ、全世界へ、と流布して行く事をひたすら祈念して止まぬものである」と綴られている。仏法西還一閻浮提広宣流布は、日蓮大聖人誓願され、日興上人が受け継がれた聖業である。御書には「月は西より東に向へり月氏の仏法の東へ流るべき相なり、日は東より出づ日本の仏法の月氏へかへるべき瑞相なり」(588~589㌻)と仰せである。また日興上人は、「日蓮大聖人御書も、広宣流布の時には、また日本語を外国語に翻訳して、広く世界に伝えるべきである」(1613㌻、趣意)と展望された。この大願を実現してきたのが、創価学会の三代会長、なかんずく池田先生である。御書発刊から65周年(2017年)、創価の連帯は世界192カ国・地域に広がった。御書の翻訳・出版は、英語、中国語、スペイン語、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、オランダ語、デンマーク語などに及んでいる。