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円珍(えんちん)

814年~891年。平安初期の天台宗の僧。第5代天台座主智証大師[ちしょうだいし]ともいう。空海弘法)の甥(または姪の子)。唐に渡って密教を学び、円仁慈覚)が進めた天台宗密教化をさらに推進した。密教が理法・事相ともに法華経に勝るという「理事俱勝」の立場に立った。このことを日蓮大聖人「報恩抄」(306㌻以下)などで、先師・伝教大師最澄に背く過ちとして糾弾されている。主著に『大日経指帰』『授決集』『法華論記』など。円珍の後、日本天台宗円仁門下と円珍門下との対立が深まり、10世紀末に分裂し、それぞれ山門派、寺門派と呼ばれる。▷円仁/園城寺