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常寂光土(じょうじゃっこうど)

四土の一つ。天台宗では法身の住む浄土とされる。法華経に説かれる久遠の仏が常住する永遠に安穏な国土。これをふまえて、万人の幸福が実現できる目指すべき理想的世界のことも意味する。法華経如来寿量品第16では、釈尊五百塵点劫という久遠の過去に成仏した仏であり、それ以来、さまざまな姿を示してきたという真実が明かされる。そして、その久遠の仏が、娑婆世界常住しており、一心に仏に会おうとして身命を惜しまない者のもとに、法華経の説法の聴衆たちとともに出現すると説かれている。したがって、娑婆世界こそが久遠釈尊の真実の国土であり、永遠不滅の浄土である常寂光土と一体であること(娑婆即寂光)になる。それに対して、釈尊方便として現した種々の仏とその住む国土は、この久遠釈尊の働きの一部を担う分身の仏であり、不完全な国土であるので、究極の浄土ではなく、穢土ということになる。▷四土/娑婆即寂光