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律宗(りっしゅう)

戒律受持する修行によって涅槃の境地を得ようとする学派。日本には鑑真[がんじん]が、中国の隋・唐の道宣[どうせん]を祖とする南山律宗を伝え、東大寺戒壇院を設け、後に天下三戒壇(奈良の東大寺、下野の薬師寺、筑紫の観世音寺の戒壇)の中心となった。その後、天平宝字3年(759年)に唐招提寺を開いて律研究の道場として以来、律宗が成立した。▷戒/鑑真/道宣/戒壇/東大寺
❷奈良時代に鑑真が伝えた律宗とは別に、鎌倉時代に叡尊[えいぞん]や覚盛[かくじょう]によって新たに樹立された律宗がある。叡尊や覚盛は、戒律が衰退しているのを嘆き、当時も機能していた東大寺戒壇とは別に、独自に授戒を行い、律にもとづいて生活する教団を形成した。これを奈良で伝承されてきた律宗とは区別して、新義律宗と呼ぶ。叡尊は覚盛と袂を分かち、西大寺の再興を図り、真言宗の西大寺流として活動した。そこから、真言律宗と呼ばれる。▷叡尊/極楽寺良観/律国賊