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真言宗(しんごんしゅう)

密教[みっきょう]経典に基づく日本仏教の宗派。善無畏[ぜんむい]・金剛智[こんごうち]・不空[ふくう]らがインドから唐にもたらした大日経[だいにちきょう]・金剛頂経[こんごうちょうきょう]などを根本とする。日本には空海[くうかい](弘法)が唐から伝え、一宗派として開創した。手に印相[いんぞう]を結び、口に真言(呪文)を唱え、心に曼荼羅観想するという三密の修行によって、修行者の三業と仏の三密とが一体化することで成仏を目指す。なお、日本の密教には空海東寺流(東密[とうみつ])のほか、比叡山円仁慈覚)・円珍智証)らによる天台真言台密[たいみつ])がある。真言の教え(密教)は、断片的には奈良時代から日本に伝えられていたが、体系的には空海によって伝来された。伝教大師最澄密教を学んだが、密教法華経を中心とした仏教を体系的に学ぶための一要素であるとした上で、これを用いた。伝教大師の没後、空海真言密教を独立した真言宗として確立し、天皇や貴族などにも広く重んじられるようになっていった。天台宗の中でも、密教を重んじる傾向が強まり、第3代座主円仁や第5代座主円珍らが天台宗の重要な柱として重んじ、天台宗密教化が進んでいった。▷密教/善無畏/金剛智/不空/空海/真言亡国