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僭聖増上慢(せんしょうぞうじょうまん)

三類の強敵の第3。妙楽大師湛然『法華文句記』で、法華経勧持品第13の二十行の偈[げ]の内容から、釈尊滅後の悪世で法華経弘通する人を迫害する強敵を3種類に分類した。これを三類の強敵という。その第3が僭聖増上慢であり、世間から厚く尊敬され聖者のように思われている高僧をさす。内実は狡猾で名聞名利を求める念が強く、慢心を抱き、自分より勝る者が現れると反発・敵対し、世俗の権力を利用して法華経の行者を排除しようとする。日蓮大聖人は、法華経の行者である御自身に敵対する良観[りょうかん](忍性)、京都で権力者の帰依を受けていた円爾[えんに](聖一)らを僭聖増上慢であるとして厳しく糾弾された(228,229㌻)。▷三類の強敵/円爾弁円/道隆/勧持品二十行の偈/極楽寺良観