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大通智勝仏(だいつうちしょうぶつ)

法華経化城喩品第7に説かれる、三千塵点劫という昔に出現した仏(法華経273㌻以下)。大通智勝仏は16人の王子の願いによって法華経を説いたが、十六王子と少数の声聞以外は疑いを起こして信じなかった。その後、十六王子が、それぞれ父が説いた法華経を繰り返し説き(大通覆講)、仏となる種を下ろし(下種)、聴衆の人々との縁を結んだ(これを大通結縁という)。この時の16番目の王子が釈尊の過去世の姿であり、その時、釈尊の説法を聞き、下種を受けた衆生がその後、第16王子とともに諸仏の国土に生まれあわせ(「在在諸仏土常与師俱生」と説かれる)、今インドで成道した釈尊に巡りあったと説かれる。そして、これらの弟子が法華経の説法の中で、未来に得脱成仏するという記別を受けた。この大通覆講の時に受けた下種を大通下種という。また、この大通覆講の時に教化された衆生は、3類に分かれる。第1類はその時に発心し不退転で得道したもの、第2類は発心したが大乗から退転して小乗に堕ちたもの、第3類は発心しなかったものである。▷化城喩品/三千塵点劫/下種