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念仏無間(ねんぶつむけん)

四箇の格言の一つ。阿弥陀仏の名号をもっぱらとなえ念ずることは、無間地獄に堕ちる業因となること。日蓮大聖人は「念仏の無間獄」(「撰時抄」、287㌻)、「念仏は無間に堕つる」(「報恩抄」、322㌻)と仰せである。日本浄土宗の開祖は法然源空)で、浄土三部経無量寿経観無量寿経阿弥陀経)を根本とする。来世に極楽浄土に生まれること(浄土往生)を目指し、娑婆世界穢土[えど]として嫌った。そして釈尊一切経聖道門[しょうどうもん]・浄土門に、また難行道・易行道に分け、法華経聖道門の難行道であるから捨てよ閉じよ閣[さしお]け抛[なげう]て(捨閉閣抛[しゃへいかくほう])といい、浄土宗のみが浄土門易行道往生成仏できる宗であるという邪義を立てて法華経を誹謗した。これに対し大聖人は、専修念仏無間地獄に堕ちる因となる悪業であると批判された。浄土三部経方等部の教えであり、無量義経において「四十余年、未顕真実(四十余年には未だ真実を顕さず)」(法華経29㌻)といわれ、法華経方便品第2では「正直捨方便正直方便を捨てて)」(法華経144㌻)と説かれているように、未顕真実方便の教えである。また、極楽往生のよりどころとされる無量寿経法蔵菩薩[ほうぞうぼさつ](阿弥陀仏の修行時の姿)の四十八願のうち第十八願には、阿弥陀仏の名をとなえる者をその浄土に迎え入れるとあるが、「唯五逆と誹謗正法を除く」と、正法を誹謗する者は除外されている。しかも法華経譬喩品第3では、法華経を誹謗する者は無間地獄に堕ちると説かれている(法華経199㌻)。したがって法華経正法を謗る者は、往生から除外されるだけでなく、無間地獄に堕ちることになる。故に「念仏無間」とされたのである。▷念仏宗/阿鼻地獄/五逆罪/謗法