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五時教(ごじきょう)

天台大師智顗以前の時代、南三北七のうち以下の二つの教判。諸経典を釈尊一代で説かれたものとして、成道から入滅までの五つの時期に分類して解釈した。天台大師『法華玄義』巻10上に挙げている。▷教相判釈/南三北七
南三北七のうち南地の一派である定林寺の僧柔[そうにゅう]・慧次[えじ]と道場寺の慧観による教判。宗愛[しゅうあい](大昌寺僧宗[そうしゅう]と白馬寺曇愛[どんあい]の2人とする説もある)による四時教のうち、無相教と同帰教の間に褒貶抑揚教[ほうへんよくようきょう](小乗を貶し抑え、大乗を褒め宣揚する教え)を立て、これには維摩経思益経があたるとしている。すなわち、有相教・無相教・褒貶抑揚教・同帰教・常住教の五つ。▷僧柔/慧次/慧観
❷北地の一派による教判。諸経典を頓教漸教に分け、華厳経頓教とした。漸教を①人天教(提謂波利経)②有相教(阿含経など)③無相教(維摩経般若経など)④同帰教(法華経)⑤常住教(涅槃経)の五つに分ける。