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四菩薩(しぼさつ)

地涌の菩薩上首(リーダー)である上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩のこと。法華経従地涌出品第15に「是の菩薩衆(=地涌の菩薩)の中に、四導師有り。一に上行と名づけ、二に無辺行と名づけ、三に浄行と名づけ、四に安立行と名づく。是の四菩薩は、其の衆の中に於いて、最も為れ上首唱導の師なり」(法華経455㌻)と説かれている。この四菩薩について「御義口伝」では、『法華文句輔正記』の文を引いて「輔正記の九に云く『経に四導師有りとは今四徳を表す上行は我を表し無辺行は常を表し浄行は浄を表し安立行は楽を表す、有る時には一人に此の四義を具す二死の表に出づるを上行と名け断常の際を踰ゆるを無辺行と称し五住の垢累を超ゆる故に浄行と名け道樹にして徳円かなり故に安立行と曰うなり』」(751㌻)と述べられている。▷地涌の菩薩
華厳経会座に来集した法慧・功徳林・金剛幢・金剛蔵四菩薩のこと。華厳経では、成道間もない釈尊の前に、この四菩薩上首とする60余りの菩薩たちが、十方の諸仏の国土より来集し、賢首・解脱月などの菩薩の要請に応じて、菩薩の修行段階である五十二位の法門を説いた。すなわち、法慧菩薩は十住を、功徳林菩薩は十行を、金剛幢菩薩は十回向を、金剛蔵菩薩は十地を説いた。華厳経では、釈尊自身は何も法を説かず、菩薩たちが仏の神力を受けて説いたとされる。仏の覚りは言葉では表現できないほど深いものであるから、菩薩の修行段階とその功徳を示すことによって、それより優れた仏の境地を間接的に明かしたのである。▷五十二位
真言宗で最も中核的な本尊の一つである胎蔵曼荼羅は、大日経の入漫荼羅具縁真言品などに基づいて描かれる。この曼荼羅の中核部分となる中台八葉院という区画では、中心の大日如来を四仏と四菩薩が取り囲んでいる。この四菩薩が、普賢・文殊弥勒・観音である。さらにその周りに諸菩薩が配置されている。▷胎蔵曼荼羅
法華経迹門四菩薩文殊・普賢・薬王・観音のこと。