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三時(さんじ)

❶仏の滅後の時代を区分した正法像法末法の三つ。▶正法[しょうほう]/像法[ぞうほう]/末法[まっぽう]
一般的には、基(慈恩)が『大乗法苑義林章』に基づき、①正法とは、釈尊の教え(教)とその実践である行とその結果である証の三つがそなわる時代、②像法とは、教と行があって証のない時代、③末法とは、教のみあって行証のない時代とされる。
日蓮大聖人は「教行証御書」(1276㌻以下)で、この説に基づいて、末法では諸経の功力はなくなるが、正しい法である法華経は経文通りに万年にわたって広宣流布することを確認される。そしてその法華経とは、末法逆縁謗法衆生に対して下種となる本門の肝心・寿量品南無妙法蓮華経であり、本門の本尊戒壇等すなわち三大秘法であることを明かされている。
また「顕仏未来記」(506㌻以下)では、先の一般的な区分は、小乗の経典に基づいたものであり、これを法華経に基づいて考察し直されている。すなわち、正法時代に教行証がそなわるといっても、あくまで衆生が過去に法華経下種結縁していることが前提となっている。そして、その衆生正法時代に生まれ、下種された仏種が、小乗の教えを縁として開き現されたのであると明かされる。また像法においては、法華経への下種結縁が微薄のため、小乗ではなく権大乗を縁とする必要があり、しかもこの一生ではなく死後に十方の有縁の浄土往生してから証果が得られると明かされる。さらに末法では、謗法衆生には法華経下種結縁がないので、仏種である「妙法蓮華経の五字」をただちに下種して広宣流布していくことが宣言されている。
三論宗釈尊一代の教えを分類した教判。①心境俱有(心と境は両方とも有であるとみる小乗教)②境空心有(境は空であるが心は有であるとみる法相大乗教=唯識)③心境俱空(心と境は両方とも空であるとみる無相大乗教=中観)のこと。
法相宗教判。▶三時教判[さんじきょうはん]